ビデオばかり見ている僕です
by herrokatty
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まるい鳥

  舞ひあがる犬

その鼻をそろへ、
その肩をそろへ、
おうおうとひくいうなりごゑに身をしづませる二疋(ひき)の犬。
そのせはしい息をそろへ、
その眼は赤くいちごのやうにふくらみ、
さびしさにおうおうとふるへる二ひきの犬。
沼のぬくみのうちにほころびる水草(すゐさう)の肌のやうに、
なんといふなめらかさを持つてゐることだらう、
つやつやと月夜のやうにあかるい毛なみよ、
さびしさにくひしばる犬は
おうおうとをののきなきさけんで、
ほの黄色い夕闇(ゆふやみ)のなかをまひあがるのだ。
しろい爪をそろへて、
ふたつの犬はよぢのぼる蔓草(つるくさ)のやうに
ほのきいろい夕闇の無言のなかへまひあがるのだ。
そのくるしみをかはしながら、
さだめない大空のなかへゆくふたつの犬よ、
やせた肩をごらん、
ほそいしつぽをごらん、
おまへたちもやつぱりたえまなく消えてゆくものの仲間だ。
ほのきいろい夕空のなかへ、
ふたつのものはくるしみをかはしながらのぼつてゆく。


  林檎料理

手にとつてみれば
ゆめのやうにきえうせる淡雪(あはゆき)りんご、
ネルのきものにつつまれた女のはだのやうに
ふうはりともりあがる淡雪りんご、
舌のとけるやうにあまくねばねばとして
嫉妬のたのしい心持にも似た淡雪りんご、
まつしろい皿のうへに
うつくしくもられて泡をふき、
香水のしみこんだ銀のフオークのささるのを待つてゐる。
とびらをたたく風のおとのしめやかな晩、
さみしい秋の
林檎料理のなつかしさよ。


  まるい鳥

をんなはまるい線をゑがいて
みどりのふえをならし、
をんなはまるい線をひいて
とりのはねをとばせる。
をんなはまるい線をふるはせて
あまいにがさをふりこぼす。
をんなは鳥だ、
をんなはまるい鳥だ。
だまつてゐながらも、
しじゆうなきごゑをにほはせる。
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by herrokatty | 2006-02-18 15:43
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